おせちことはじめ【後編】〜「五の重」その意外な中身とは?

おせち料理の一品一品にいわれや意味があることは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

品数や内容、詰め方は地域や家庭によりさまざまで正解はありません。<黒豆>には、 家族みんながことしもまめに働き、元気にすごせますようにと、<数の子>には、数多い子、子どもがたくさん生まれ代々栄えますようにと、

<田作り・五万米(ごまめ)>には、五穀豊穣のねがいを、<たたきごぼう>には、一家の土台が根付くように、また細く長く長寿をねがい、<金柑甘露煮>は、きんかん=「金冠」と書くことから宝物を意味し、生活の豊かさをねがい、

<紅白なます>は、白い大根のように清らかな生活を、にんじんの「赤」をまぜめでたさと平和祈願を、<栗金団>は、きんとん=金団があらわすとおり金銀財宝、富の象徴となり、<伊達巻き>は、伊達ものの華やかさと巻物にあやかり学問成就を、

<昆布巻き>は、「養老昆布」と書いて「よろこぶ」と読ませ、不老長寿を、<菊花かぶ>の菊は、魔除けの象徴。そして<お煮染め>は、根菜など山の幸を中心に、家族が仲良く結ばれるようにと煮しめます。

 

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重箱に詰まったおせちが食卓に並ぶと、一気にお正月気分が盛り上がると同時に、新しい歳を迎えたのだとあらためて気持ちが引き締まる思いがします。ぎっしりとお料理のつまった重箱を使うことにも理由があり、お客様にお出ししやすいようにという利便性のほか、重ねることにより、「福を重ねる」「めでたさが重なる」ことを意味するようです。

一の重には、<前編>でご紹介した「これだけは」の3品、祝い肴とよばれる品を。二の重には、海の幸を中心に、ぶり、海老、鯛など縁起のよい焼物を。三の重には、山の幸をふんだんに使い、家族が仲良く結ばれるようにと「煮しめ」をつめます。与(四)の重には、日持ちのする酢の物(なます、菊花かぶ)や和え物がはいります。

正式なお重は四段ですが、むかしの人々は「五段目」の重を用意していました。その中身は…なんと空っぽ。歳神様から授かった福を詰める場所として、もっともっと家族に多くの幸福が入るように、と空けておいたのです。

 

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家族形態やライフスタイルが多様化し、おせちを食べるひと食べないひと、作るひと作らないひと、お正月料理に触れる機会はさまざまです。

ですが、自分と家族の健康、稼業が仕事がうまく運ぶこと、来年もその次の年も幸福が永続することをねがい、自然界の一部であることを意識しながら感謝の気持ちを忘れない。こうしたことはいつの時代でも誰であっても継承していける大切な日本人の「心」なのではないでしょうか。

来年もさらに良い年にしたいと切にねがいながら、2014年を静かに見送りたいと思います。

(photo) by pinterest
(参考)くらし歳時記

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