おせちことはじめ 【前編】 〜 せめてこれだけは!の3品とは

先日、日経新聞に掲載された記事によると、47都道府県の20〜69歳の男女9600人を対象に実施した「おせちに関する調査」では、2015年のお正月におせちを食べると回答したのは全体の40%、そのうちの90%は「お店で買ったり、取り寄せる」と回答、「すべて手作りする」としたひとは7%という結果がでとのこと。「作らない」と回答したひとのなかには「作るひとがいない」との理由もありました。

年の瀬、お母さんやおばあちゃんが台所にたちおせちを仕込むという風景は、時代の移り変わりとともに過去のものとなりつつあるのかもしれません。

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レッスンは「cook coop book (千代田区 紀尾井町)」で。食をテーマにセレクトした本屋さんとキッチンスタジオが併設されています。

食卓文化は、本来家族や地域単位で伝承されてきたものですが、核家族化や夫婦共働きのライフスタイルが増える現代ではそれが難しくなりつつあります。料理を、食卓に関わる何かを知りたいと思ったとき、教えてくれるひとが身近にいないというのが現状です。この溝を埋めるお手伝いをしたいと活動しているのが、「食卓をつなぐ会」代表 hanaさんです。hanaさんがレッスンするお料理教室、「ニッポンの12ヶ月『正月のおせち料理』」に参加してきました。

「おせちはカンタンだけど手間がかかるのよ」。hana先生のひと言に妙に納得…。おせち料理とは、1年でどれほど台所仕事の腕があがったか、嫁の集大成ともいうべきものだったのだそう。手間がかかる理由はそれだけではありません。松の内までもたせるため、腐りやすい肉や魚、動物性の出汁も使うことができないので、保存がきくようありとあらゆる手をほどこす必要があるのです。

この保存食づくりには、歳神様にゆっくりと休んでいただくため、台所の神様にゆっくりと休んでいただくため、そして1年中台所にたつお嫁さんを休ませるため、との目的があったのだそう。

この日レッスンしたのは、黒豆、ごまめ(田作り)、数の子、金柑甘露煮、叩きごぼう、紅白柿なます、栗きんとん、伊達巻き、昆布巻き、菊花かぶ、お煮染め、江戸雑煮の12品。デモと実技を織り交ぜながら、そしてなぜそうした手順を要するのかのポイントが絶妙なタイミングで入ってくるあっという間の3時間でした。

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柚子の中をくりぬき器として使う「柚釜」。お重がいっきに華やぎます。

こうして自分の手でふれ、ひとつひとつ紐解いていくと、一家の台所を仕切る女性たちが、自然界への感謝と家族の健康と稼業の豊作をどんなにかねがったであろうことがうかがいしれます。

同じグループになった参加者のみなさんと「これひとりでぜんぶは、ぜったい無理〜」と笑い合っていたところに、「作らなくても食べなくても、これだけは用意して!という3品があります」と先生の一声。

それは、ことしも健康で豆に働けますようにとのねがいをこめる「黒豆」、田植えの祝い肴として五穀豊穣をねがう「ごまめ(田作り)」、そしてたくさんの卵をもつことから、数多い子、たくさん子どもがうまれ、代々栄えますようにとのねがいをこめる「数の子」です。すべて「一の重」にいれられるものです。

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「毎回みんなで準備できたらいいのに」。

そういえばクックパッドのアンケートでも、「覚えたいおせち料理」の1位に「黒豆」がランクインしていました。カンタンに作れるレシピもたくさんありそうですから、今からでもぜひふっくらつやつやの「黒豆」にチャレンジしてみてください。

次回は、前述の12品についてひとつひとつの意味をくわしくみていきますね。

(cover photo) by Pinterest

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